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 護衛艦(Escort vessel)という艦種は軍事組織においては存在しない。その任務の都合上付される名称であり、船団護衛任務などに就く軍艦の任務上の呼称である。

 用例としては、2154年ズィンディ危機の際に、カリンドラ星系にあるズィンディ超兵器プロトタイプ実験場での任務についていたデグラは二隻のズィンディ爬虫類族の軍艦に護衛されており、これらの艦は護衛艦と呼称された。(ENT: アンドリア人の協力

 また、2368年ペリア・ゼルベータ・ムーンの過激派が連邦シャトルホーキングをインターセプトした際に用いた艦は、護衛艦と称していた。(TNG: 愛の化身オダン

 そして、唯一この護衛艦という名称を公式に艦種として採用したのが宇宙艦隊であった。宇宙艦隊はボーグの脅威が深刻化する中で、侵略勢力に対する対抗手段としてディファイアント級護衛艦を開発した。宇宙艦隊はあくまで平和目的の組織であり、準軍事組織ではあれど軍隊ではないという立場上、純粋なる軍艦を保有することは相応しくないための対応策として、宇宙艦隊史上最初の純粋な軍艦として設計されたディファイアント級に対して、戦艦という呼称を避け、公式分類を「護衛艦」としたとされる。[1]

 それまで宇宙艦隊において、汎用艦という意味合いでの重巡洋艦などの呼称は除き、軍艦的な呼称は公には避けられてきたが、ボーグによる第一次太陽系侵攻をきっかけにディファイアント級ソヴェリン級プロメテウス級といった高い戦闘力を要求された艦の開発が急ピッチで進められ、ドミニオン戦争をきっかけに駆逐艦巡洋艦といった軍艦的な意味合いでの呼称が一般的に用いられるようになりつつある。(スタートレック:ディープ・スペース・ナイン

付録[]

注釈[]

  1. 第二次世界大戦以降の日本においても平和憲法の下に創設された自衛隊においては、事実上の軍隊ではあっても公式には軍隊とは呼ばない。海上自衛隊が保有する軍艦の名称である「護衛艦」は、自衛隊そのものの名称同様に、国民の反軍感情、軍事アレルギーに対する「配慮」によるものだが、日本国外においては「護衛艦=デストロイヤー:駆逐艦」として称されていることもまた同様である。海上自衛隊の護衛艦は、外国から見ればJapanese NavyのDestroyerであることと同様に、宇宙艦隊のディファイアント級はカーデシア等の他の勢力から見ればWarshipである。自衛隊と宇宙艦隊はお互いに事実上の軍隊ではあっても公式には軍隊ではなく準軍事組織という側面を持っていることから、似通ったものがある。
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