Memory Alpha
登録
Advertisement

 第二次ディープ・スペース・9の戦い(Second Battle of Deep Space 9)とは、ドミニオン戦争の最初の戦いであった。尚、第一次ディープ・スペース・9の戦いは、第二次連邦・クリンゴン戦争の戦いであり、ドミニオン戦争とは直接関係はない。

 勝敗はドミニオン軍の勝利とはなったが、連邦側はベイジョー・ワームホール機雷による封鎖を完了させ、尚且つDS9へ大軍を引き寄せた上で、別働部隊がドミニオンの主要な造船所の破壊に成功した為、戦略的には連邦側の勝利と言える戦いであった。(DS9: DS9撤退の日

前触れ[]

 宇宙暦50560、カーデシア連合ドミニオンに加わった。そして、ドミニオンジェムハダー艦隊を度々ガンマ宇宙域からワームホールを抜けてカーデシア領へ送っていた。クリンゴン・カーデシア戦争の結果クリンゴンカーデシア領内に得た領域と、駐留している軍隊はジェムハダー軍の支援を受けたカーデシア軍によって領域内から駆逐され、カーデシア領内のマキ植民地も壊滅させられてしまった。

 これを受けて惑星連邦とクリンゴンがキトマー条約を再調印するも、戦争はまだ始まっていなかった。この直後、可変種によるトリリチウム爆弾によってベイジョー星系を破壊しようする事件が発生したが、USSディファイアントが阻止に成功し、宇宙艦隊とクリンゴン艦隊、さらに一時的にクリンゴンと連邦の側に立ったロミュラン艦隊を、そして、DS9を一掃しようとしたドミニオンの計画は失敗する。(DS9: 敗れざる者・後編

 その後、領域の境界線では小競り合いが続き、USSテンアンモンIKSバモスを含む多数の艦がパトロール任務中に消息を絶つ事件が多発していた。(DS9: 我らクリンゴンプレゼント大作戦

 ドミニオンアルファ宇宙域における主要な種族へ接触を図りミラドーンソリア連合、そしてロミュラン帝国とまで相互不可侵条約を締結し、連邦を政治的にも軍事的にも孤立させようとしていた。ドミニオンに対して対抗する勢力は惑星連邦クリンゴン帝国だけとなった。

「平和が失われつつある以上、もう我々に残る道は戦うだけだ」
ベンジャミン・シスコ大佐

引き金[]

USS Defiant deploying mines

機雷原を設置するUSSディファイアント

 

 戦略的に非常に不利な状況へと追い込まれた惑星連邦側は、このままワームホールを通ってのガンマ宇宙域からのジェムハダーの援軍を見過ごせば取り返しの付かないことになると危機感を募らせ、ベイジョー・ワームホール機雷を使って封鎖することを決定した。

 機雷は一つでは威力が小さく、撤去されては意味が無いのでベイジョー軍に所属するフェレンギ人技師であるロムによって自己複製機能を有し、遮蔽装置を搭載した自己複製型機雷が開発された。それらは、サイズが小さいため遮蔽の効果も高く、万が一発見され破壊されても、直ちに付近の機雷が損失した機雷をレプリケーターで複製することが可能であった。そして、艦が接触した場合多数の機雷が共鳴して爆発し大ダメージを与えるという特徴も持っていた。[1]

 これら機雷宇宙艦隊は直ちにワームホールの入り口付近の空域に設置を開始した。しかしながら、この行為はドミニオン側への挑発行為と等しかった。そのため、ドミニオン側はDS9大使としてアルファ宇宙域ドミニオン監督官であるウェイユンを派遣した。そして、彼はベンジャミン・シスコ大佐機雷を直ちに撤去するよう要求し、要求に従わなければ攻撃すると脅したが、シスコはこれを拒否した。

 ウェイユンクリンゴンとの戦争のため破壊されたカーデシアのインフラの再建と防衛の為ドミニオンによる支援が必要であると訴えたが、シスコはその目的の為としても派遣される軍勢が強大すぎることを指摘した。そのため、ウェイユン機雷の撤去の代わりとしてカーデシアへの支援は人道的支援に限るものと限定する提案を行い、シスコは連邦へ確認するとして一旦は会議を終了したが、お互いにこれは時間を稼ぐための策略であると認識していた。帰還したウェイユンは直ちにDS9攻略部隊の編成を開始し、シスコは機雷原設置作業を急がせた。

 戦争が差し迫る状況の中、シスコはベイジョー共和国に対して「選ばれし者」としてドミニオンから打診されていた相互不可侵条約の締結を奨めた。それは、戦争によりベイジョー星が攻撃の的とならないようにするための配慮であった。そして、条約は直ちに締結されてシャカール・エドン首相の勧告によってDS9からすべてのベイジョーの民間人は退去した。

戦闘[]

Dominion fires

ドミニオン軍による攻撃開始

 宇宙艦隊によるワームホール封鎖を防ぐために、ドミニオンは大規模なDS9攻略部隊を編成し進撃を開始した。その部隊を指揮していたのはカーデシア連合の指導者であるデュカットであった。そのような状況の中、宇宙艦隊DS9に対して何故か援軍の派遣は行わなかった。DS9を護衛するのはUSSディファイアント(NX-74205)IKSロタランのたった二隻だけであった。IKSロタランカーデシア国境地帯をパトロールし、ドミニオン軍の動きを監視していた。

 そして、IKSロタランDS9へ向けて進撃を開始するドミニオン艦隊(ジェムハダー軍カーデシア軍の連合艦隊300隻)を検知した。

 ガルデュカットはシスコに対して降伏を勧告したが、シスコはこれを拒否し遂に戦闘は開始された。ジェムハダー戦闘機の5編隊を機雷原設置作業を実施しているUSSディファイアント(NX-74205)へ差し向け、旗艦を含む残りの部隊はDS9攻撃を開始した。

 ドミニオン艦隊DS9への攻撃を開始した際に、DS9のシールドが攻撃に耐えているのを見てウェイユンは驚きを隠せなかった。以前、USSオデッセイ防御シールドジェムハダー戦闘機ポーラロン・ビームに対して無力であったためであるが、デュカット連邦の技術力及びシスコを侮るなと彼をいさめた。

 機雷原の敷設が完了していないディファイアントはジェムハダー戦闘機の猛攻を受けていたが、IKSロタランの援護によって何とか機雷原の敷設作業を完了させ、ワームホールの封鎖を実施することに成功したのであった。

DS9 under attack 2

ダメージを受けるドッキングリング

 なかなかDS9シールドを敗れないドミニオン軍は、デュカットの知識を利用しドッキング・リングのセクション17に対して集中砲火を向ける様指示をした。そしてシールドは遂に突破されたが、ディファイアントから機雷原設置完了の報告を受けたシスコ大佐は宇宙艦隊DS9撤退の命令を発令した。

 ドミニオン艦隊が再編成の為に一時攻撃を中断した隙を突いて、USSディファイアント(NX-74205)IKSロタランDS9宇宙艦隊士官連邦市民は退避を開始し、ステーションをベイジョー軍に移譲した後DS9を撤退した。撤退に際して、シスコはステーション内の機密機器をすべて破壊するか撤去をおこなった。

 シスコは撤退前にプロムナードでステーションに残る市民達に演説を行った。

「DS9へ赴任が決まった時、どこでもいいからよそへ行きたい、そう思ったものだ。しかし5年経った今、ここが我が家となり、諸君が我が家族となった。ここに諸君を残したまま去ることは私にとって断腸の思いである。しかし戦いはまだ終わってはいない。実は我々がここでドミニオンを引き付けている間に、宇宙艦隊とクリンゴンの連合軍がカーデシアに侵入しトーロス3号星のドミニオンの造船所を破壊した。諸君の犠牲、我々の犠牲がこの勝利を可能にした。だがどんな勝利も、別れの辛さを和らげてくれはしない。約束しよう、私はいつの日か、諸君のもとへ戻ってくる。ここへ。ここが私のふるさとだ。」演説を聴くファイル情報

 

IKS Rotarran and USS Defiant retreat from DS9

DS9を離脱するIKSロタランとUSSディファイアント

 ディファイアントとロタランがDS9を脱出した後、キラ・ネリス少佐はプログラム「シスコ197」を起動して、ステーション内のコンピュータとパワー・システムを破壊した。

 その後、ほとんど人気の無いステーションにドミニオン軍が乗り込んだ。そして、名称をディープ・スペース・9から「テロック・ノール」へと変更され、ドミニオンの支配下に置かれることとなったのである。

その後[]

Dominion boards DS9

DS9へ進駐するドミニオン軍兵士達

 この戦いでドミニオン軍DS9連邦から奪取することに成功したが、50隻以上の艦を失った。更には、宇宙艦隊はステーションを撤退する際に徹底的な破壊工作を行ったため、防衛能力はほぼ皆無であった。

 更に、DS9攻略の為にカーデシア領内のドミニオン艦隊の多くを集結させたために、カーデシア領自体の守りが手薄となった。その隙を突いて宇宙艦隊クリンゴン軍の機動部隊がカーデシア領に侵入し、トーロス3号星ドミニオンの主要な造船所の破壊に成功したのであった。それは、ドミニオン軍の造船能力に多大な影響を与えることとなった。

 しかし、その約5ヶ月後に連邦連合軍の「DS9奪還作戦」により、再び連邦側に奪還されることとなるのであった。

付録[]

注釈[]

  1. 日本語吹き替え版では機雷(mines)を地雷と吹き替えているが、これは明らかな誤訳。地雷も機雷も英語ではmineであるが、日本語の用法では地中に埋めて対人間や対戦車などの為に使用するものを地雷とし、海上において対船舶の為に用いるものが機雷と区別されている。従って、対艦船の為に宇宙空間に設置するmineは機雷と訳すのが本来は妥当である。
Advertisement