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「我々はボーグだ。シールドを下ろし降伏せよ。お前達の生物的特徴及び科学技術を我々と同化する。お前達の文明は我々の一部となる。抵抗は無意味だ」ファイル情報
ボーグ集合体
Borg approach in dark

ボーグ・ドローン

 ボーグ(Borg)はデルタ宇宙域発祥の非常に高度なサイバネティクスを施したハイブリッド生命体もしくはサイボーグである。ボーグは個々がすべてボーグ集合体に属しており、一部の例外(ボーグ・クイーンなど)を除いて個人という概念がない。彼らの目的は完全性であり、様々な種族、技術そして知識のすべてを力ずくで同化していった。その結果、銀河系の中で最も恐れられる種族となっていった。

ファイル:Borg-symbol.jpg

ボーグシンボル

 

生理学[]

Borg trio

クリンゴンのドローン

 同化された種族毎にボーグ・ドローンの生理学的特徴は異なる。(スタートレック:ファーストコンタクト) 集合体は非ヒューマノイドであっても同化を目標としたが、ドローンは通常ヒューマノイドであった。(VOY: 生命体8472・前編

Borg Infant 2365

ボーグの幼児

 同化されたドローンは、元の皮膚色を失って灰色となり、体毛は発育しなくなる。また、サイバネティクス移植は外科手術か血液に注入されたナノプローブによって内部から実行される。(TNG: 浮遊機械都市ボーグ・前編スタートレック:ファーストコンタクト) 移植された皮質アレイ等のサイバネティクス装置は有機体の部分と共存している。しかし、場合によっては目や腕などの部分は切断され、人工物に完全に移植されるケースもある。(VOY: ケスとの別れボーグ暗黒フロンティア計画) 完全に同化されたドローンは移植器官によって長期間、住居、食物や水、空気等を得なくても機能できた。ドローンにとって唯一必要とされたのが、有機体の部分を維持し移植器官を維持するために必要なエネルギーの供給であった。再生サイクルに入った場合、ボーグ・アルコーブでこれらの必要なエネルギーの供給を受けることができる。損傷を受けたドローンは損害状況の確認のためアルコーブに戻る。重大な損傷を受けたドローンは再利用できる部品を取り除く為に分解され消滅させられる。(TNG: 無限の大宇宙ボーグ"ナンバー・スリー"

 ボーグ・ドローンはすべてが集合体に所属し、集合体に同化されたすべての技術を備えていた。各ドローンに装備されたニューロ・トランシーバーはドローンの意識と集合体を接続し続けた。(VOY: 生命体8472・後編) 各ドローンが装備するフォース・フィールドは様々なエネルギー兵器からの攻撃を防いだ。(TNG: 無限の大宇宙) 2373年の時点で、各ドローンは標的に対して即座にナノ・プローブを注射する同化チューブを装備していた。(スタートレック:ファーストコンタクト) ドローンは皮質プロセッサによって視覚情報を得ることができた。また、すべてのドローンはニューロ・プロセッサを装備しており、ここには各ドローンが集合体から受けるあらゆる指令を記録していた。ジャン=リュック・ピカード大佐は、USSエンタープライズEがボーグによる侵略を受けた際に、ドローンの一人から取り出したニューロ・プロセッサからエンタープライズにいるボーグが、2063年当時の集合体と連絡を取るために同艦のディフレクター盤インタープレクシング・ビーコンに改造しようとしていることを突き止めた。(スタートレック:ファーストコンタクト

 また、ボーグ・ドローンは破壊されるか機能停止した際に、遺体を利用して技術が流出しない様に集合体から切り離された時点で自動的に蒸発するように設計されていた。(TNG: 無限の大宇宙) サード・オブ・ファイブは、ドローンが自動的に蒸発するのは遺体の再利用のための回収措置である可能性を示唆した。(TNG: ボーグ"ナンバー・スリー") この機能停止時の消滅機能の一つに、ドローン個人の感情的刺激が高まると脳機能を停止させるというものがある。(VOY: 人への歩み

歴史[]

参照:詳細はボーグの歴史
Borg skeleton

荒廃した惑星上に残されたボーグの骸骨

 ボーグが誕生についての正確な情報はない。1484年の時点でボーグはデルタ宇宙域のほんの一部の星系を支配する勢力として記録されていたが、2373年までには何千もの世界を同化し広大な領域を支配していた。また、デルタ宇宙域だけに留まらず、トランスワープ・コンジットを使用して銀河系中に艦を送っていた。(VOY: 亜空間制圧戦争生命体8472・前編道は星雲の彼方へ

 ボーグ艦は2373年に地球侵略のために2063年の地球にタイムスリップを行ったが、その計画は失敗した。(スタートレック:ファーストコンタクト) この時に生き残ったドローンが2153年に機能停止の状態で科学者によって発見されたが、活動を再開して彼らや、通りかかったターカリア船のクルーを同化、エンタープライズ(NX-01)によって破壊される前に亜空間メッセージをボーグ・スペースに送信した。(ENT: 覚醒する恐怖) 2293年、連邦はボーグから逃れるエル・オーリア難民への援助を提供した。(スタートレック:ジェネレーションズ) しかしながら、これらの事件はアルファ宇宙域におけるボーグ集合体への認識や理解にほとんど寄与しなかった。

 2350年代に、ボーグと呼ばれる謎の勢力の噂はアルファ宇宙域に届いた。そして、この噂を元に地球外生物学者であるマグナス・ハンセンエリン・ハンセンはボーグを求めてデルタ宇宙域へ向けて旅立った。2356年に彼らが同化されるまでの間の約3年間に渡り彼らはボーグを追跡しデルタ宇宙域まで達した。(VOY: ケスとの別れ心の傷を越えてボーグ暗黒フロンティア計画・前編)

 ボーグによるアルファ宇宙域での活動は、2364年にロミュラン中立地帯で発生した一連の攻撃まで察知されていなかった。(TNG: 突然の訪問者) ボーグ集合体の実態は2365年に、によってUSSエンタープライズDJ-25星系付近に飛ばされた際にボーグ・キューブと遭遇したことにより初めて連邦では明らかにされた。(TNG: 無限の大宇宙

 2366年後半にボーグ・キューブは連邦領域に侵攻し、宇宙艦隊のジャン=リュック・ピカード大佐が同化されてしまった。直後、ウォルフ359の戦いと呼ばれた宇宙艦隊との決戦では、ボーグはピカード大佐の知識を利用して40隻から成る迎撃艦隊の内39隻を破壊した。 しかし、その後USSエンタープライズDのクルーはピカード大佐をボーグから奪還、彼らはピカード大佐を通して集合体にアクセスし、地球に到達したボーグ・キューブの破壊に成功した。(TNG: 浮遊機械都市ボーグ・前編浮遊機械都市ボーグ・後編

 2370年代には、ボーグはデルタ宇宙域でいくつかの妨害に遭った。2373年から2374年にかけて発生したボーグ・生命体8472戦争では、多くのボーグが犠牲となった。また、USSヴォイジャーによってドローンから解放されたセブン・オブ・ナインにより2377年にはユニマトリックス・ゼロでドローンによる積極的抵抗運動が引き起こされた。2378年にUSSヴォイジャーがトランスワープ・ハブの破壊に成功した際にはユニコンプレックスボーグ・クイーンの破壊にも成功し、ボーグに対して大打撃を与えた。[1]VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編、聖域ユニマトリックス・ゼロ・前編道は星雲の彼方へ

可能性の未来[]

 一つの可能性の未来の中では、第一次太陽系侵攻の際にボーグは連邦の征服に成功し、USSエンタープライズDはたった一隻生き残っていた。(TNG: 無限のパラレル・ワールド

 また、第二次太陽系侵攻時に、ボーグ・スフィア2063年4月4日へタイムトラベルした際、USSエンタープライズEのクルーたちは同化された地球を目撃している。この時の地球は人口はおよそ90億のボーグであり、大気は高濃度のメタン一酸化炭素フッ素によって構成されていることが確認された。(スタートレック:ファーストコンタクト

文化[]

Borg aboard enterprise, 2153

ドローンの一団(2153年

詳細はボーグの哲学を参照

 ボーグ集合体はドローンと呼ばれるヒューマノイド生命体で構成される。(VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編) 彼らは肉体に移植されたサイバネティクスを使用して集合体と意識を共有している。ボーグに同化されると自我が失われ、集合体の意思への抵抗を止めさせられる。そして、集合体の「声」がドローンを完全に支配する。(TNG: 戦士の休息) 多くのドローンはこの「声」に安らぎを見出し、この「声」を失うことが苦痛となった。(TNG: ボーグ"ナンバー・スリー"VOY: ケスとの別れ

 ボーグの哲学は、他の種族の生物的特徴と科学技術をボーグに同化することが第一義である。ボーグは集合体の完全性を常に求めており、完全性を満たすために他の種族を同化することが唯一の目的となった。そのため、ドローンは自らの義務と再生以外の活動には一切従事しない。[2]TNG: 浮遊機械都市ボーグ・前編無限の大宇宙VOY: 生命体8472・後編) 

 ボーグには個人という概念も尊厳も存在せず、ドローンには名前は不要であった。そのため、ドローンの個体はサード・オブ・ファイブといったようにグループでの位置を示す番号で識別された。また、この名称に更にそのドローンに与えられた機能を識別番号に追加…例えばセブン・オブ・ナインユニマトリックス01の第3付属物といった具合に呼称する場合もある。また、ボーグは他の種族を番号で識別している。(TNG: ボーグ"ナンバー・スリー"VOY: 生命体8472・後編

 ドローンが損害を受けた際には、他のドローンは援助を行う。(TNG: ボーグ"ナンバー・スリー"VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編) しかしながら、ドローンが修復不可能であると判断した場合は集合体から切り離されて機能停止させられる。そして、再利用可能なコンポーネントを他のドローンに配布し、遺体は蒸発させられる。(TNG: 無限の大宇宙

Borg-children

まだ少年のボーグ・ドローン

 ボーグは出産はせず、彼らは単に同化で人口を増加させた。(VOY: 新生ボーグの悲劇) 同化された幼児と年少者は成年期になるまで、成熟室に置かれる。(TNG: 無限の大宇宙VOY: 遺棄されたボーグ

 ボーグは気温摂氏39.1度、湿度92%、気圧約102キロパスカル及び微量のテトリオン粒子のある大気環境で活動していた。この条件は、ボーグのサイバネティクス部分に最適な環境であると考えられている。(スタートレック:ファーストコンタクト

 ドローンは少数の生物を、自らの脅威か同化の妥当な候補であると判断するまでは無視した。少数の個体を同化する際には、何の予告もなく同化を実施するが、宇宙船やより多数の人口を抱える文明や集落等を同化する際には、あらかじめ同化の目的と抵抗が無益であることを宣告する。(TNG: 無限の大宇宙VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編) また、ボーグは目立った特異性がない種族は同化に値しないと考え、同化を実施しない。2374年の時点で、ボーグはケイゾンを同化に値しない下等な種族とみなしていた。また、2376年までには、同化に値するテクノロジーを検知した場合にだけブルナリに興味を持った。(VOY: 大いなる森への旅苦悩するボーグ・チャイルド

Locutus of Borg and Borg Queen

ロキュータスボーグ・クイーン

  ボーグは稀に、個人と対話を行う必要があると判断した場合に集合体を代弁するための一人のドローンを選出する。そのような代弁者が惑星連邦の同化への抵抗を和らげるであろうという思惑で、ジャン=リュック・ピカードを同化し、彼にロキュータスという名を与えた。(TNG: 浮遊機械都市ボーグ・前編

Seven of Nine confronts Chakotay

集合体の代弁者 セブン・オブ・ナイン

 キャスリン・ジェインウェイ大佐は、首尾よくボーグとの休戦交渉に持ち込み、ニューロ・トランシーバーを通しての集合体との意思の疎通を拒否した際に、集合体はセブン・オブ・ナインを通して意思の疎通を行うことに同意した。(VOY: 生命体8472・後編

 また、ボーグ・クイーンは集合体を代弁する存在であった。彼女は単なる連絡係としてではなく、集合体の意思そのものとして機能した。しかし、彼女の正確な役割については謎に包まれている。(スタートレック:ファーストコンタクト

 ボーグは粒子010を限りなく完璧に近い物質と捉え、理想としていた。そして、この分子を集合体へ同化することへの渇望は宗教に喩えられた。(VOY: 戦慄!オメガ破壊指令

技術[]

参照:ボーグ・テクノロジー

 ボーグ・テクノロジーは様々な障害を克服するために集合体が他の種族の文化と技術を同化・吸収したものの組み合わせであった。既存のリソースで解決できない問題が立ちはだかった時には、集合体全体ですべての解決策の可能性を模索し、最も効率的である解決策を決定し実行する。それぞれのドローンに独自のタスクを割り当てることによって、集合体は個人では成し得ないペースで新技術を開発・設計する。(TNG: 無限の大宇宙浮遊機械都市ボーグ・後編

宇宙艦[]

参照:ボーグ艦クラス

 ボーグ艦はブリッジも居住区も機関室も無く、すべての機能が分散された設計となっている。各艦は集合体によってすべて統括されており、割り当てられたドローンの一団によって運行されていた。また、集合体は艦のデザインに美的考慮を無視しており、ボーグ艦は立方体や球体等の基本的な図形形態を採用していた。そして、船体はトリタニウム合金製であり、損害を受けても自己修復することが可能であった。(TNG: 無限の大宇宙VOY: 道は星雲の彼方へ

 それぞれのボーグ艦は、乗員を相互接続するリンクを備えていた。(VOY: 遥かなるボーグの記憶聖域ユニマトリックス・ゼロ・前編) また、ボーグ艦はワープ・ドライブに加えて、トランスワープ・コイルを装備しており、トランスワープ・コンジットを開くことによってより高速での移動が可能であった。(TNG: ボーグ変質の謎・前編VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編) 重大な損害を受けるか、何らかの方法で機能を失った場合にはボーグ艦は他の勢力に技術を研究されることを防ぐために自爆する。(TNG: 浮遊機械都市ボーグ・後編) しかしながら、USSヴォイジャーは数隻の大破したボーグ艦に遭遇し、トランスワープ・コイルを盗み出したり、遺棄されたボーグ・キューブからドローンであったイチェブメゾッティエザンレビを収容し集合体から解放することに成功している。(VOY: 遺棄されたボーグボーグ暗黒フロンティア計画・前編)

インフラストラクチャ[]

 ボーグの建造物は、宇宙空間星系惑星上に設置されていた。ボーグが同化した惑星は、以前の住民が使用したインフラストラクチャをそのまま同化して使用した。(スタートレック:ファーストコンタクトVOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編、亜空間制圧戦争

 建造物は幾何学的なデザインの簡単な形態である艦と同様であり、必要に応じて構造が追加される。新しい構造を既存の構造に接合することによって、複合体を形成している。また、これら建造物の大きさは内部にボーグ・スフィアを格納できる程巨大であった。(VOY: ボーグ暗黒フロンティア計画・前編)

 また、ボーグは空間と空間を結ぶトランスワープ・ハブも所有していた。銀河系の中のほとんどの場所に迅速にボーグ艦を配備できる様、銀河系の中に四か所のトランスワープ・ハブが設置されていた。トランスワープ・ハブには多くの入口が存在し、それはトランスワープ・チューブへの突入のためのものであった。また、チューブ内部は多岐管構造となっており、アルファ宇宙域へ到達するチューブに侵入したUSSヴォイジャーによって内部構造物が破壊され、アルファ宇宙域へつながるチューブの数個が破壊された。(VOY: 道は星雲の彼方へ

付録[]

関連記事[]

登場回[]

背景[]

注釈[]

  1. その後ボーグがどうなったかについてはエピソードや映画では語られていないが、ボーグは何千もの星系と世界を支配しており、更にはユニコンプレックスとボーグ・クイーンの破壊によって集合体が完全に破壊されたとは考えにくい。実際にボーグ・クイーンはいくつかの体を持っていることが確認されている。
  2. これらの原則がボーグ・ドローンのコンセンサスの大部分であったかどうかは不明瞭ではある。

非正史[]

 非正史では、ボーグの起源に関して描かれており、その誕生にはコロンビア(NX-02)の生存者が関わっているという話が存在する。

 2156年、コロンビアは採掘輸送船を護衛中にロミュランバード・オブ・プレイの攻撃を受け、ワープエンジンが完全に故障してしまった。コロンビアは通常エンジンで「エリゴル」という名の惑星までたどり着いたが、ウラシマ効果の影響により船内では63日しか時間が経過していなかったにも関わらず、船外では2168年になっていた。そして、惑星連邦では公式にコロンビアは行方不明という決定が下されていたのである。その後、コロンビアの生存者はエリゴルに住むセリアル人と協力してコロンビアの修理を行ったが、MACOの隊員とセリアル人との間に不和が起き、結果、エリゴル星は時空トンネルに突入。このトンネルが発生した影響でエリゴル星の主星が超新星化した。惑星上にはアクシオンと、マンティリスと呼ばれた都市型宇宙船が生き残り、またこの二隻も、アクシオンは1519年のベータ宇宙域に、マンティリスは紀元前4527年のデルタ宇宙域にそれぞれタイムスリップした。マンティリスでは飢餓が発生し、セリアル人はコロンビアの生存者であったカール・グレイロック大尉、およびキオナ・セイヤー大尉と融合し、結果、最初のボーグが生まれた。(ST - Destiny novel: Gods of NightDestiny novel: Lost Souls

外部リンク[]

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