(複数の異なる時間軸からの情報)
ビュースクリーン(viewscreen)もしくはメイン・ビューワ(main viewer)とは、宇宙艦や宇宙ステーション、惑星上の施設などで使用されている音声・映像出力装置である。この装置はセンサーや通信などからの様々な情報を出力するのに使用される。
宇宙艦隊をはじめ宇宙に進出した多くの組織が同様の技術を用いている。
概要[]
一般的にビュースクリーンは宇宙艦のブリッジなどに設けられた大きなスクリーンであり、22世紀に誕生して以来ほとんどその姿を変えずに24世紀においても使われ続けている。
典型的な使用目的は宇宙艦の前方や近傍周囲の映像を表示することであり、死角はない。また、ライブラリ・コンピュータからの情報を呼び出すのにも使われる。さらに他の宇宙艦などと対面通信を行う場合には不可欠である。しかし、映像を伴う通信を行うには相手が一定の距離より近くにいる必要がある。ビュースクリーンは宇宙艦内の通信にも使用可能だが、この機能はめったに使われない。(スタートレック5:新たなる未知へ、TNG: 甦ったモリアーティ教授、VOY: 星雲生命体を救え)
ビュースクリーンの映像は必要に応じて拡大することが出来る。24世紀の宇宙艦では106倍の拡大率が容易に達成された。あるいは映像にコンピュータやセンサーからのグラフィックを重ね合わせて表示することも可能である。(スタートレック6:未知の世界、ENT: 夢への旅立ち)
宇宙艦隊[]
フリーダム級[]
フリーダム級宇宙艦を含む初期の宇宙艦隊艦船に搭載されたビュー・スクリーンは、メイン・ブリッジの前部隔壁に位置する長方形の窓であった。このスクリーンは実際に艦の外を眺めることが出来る窓であったが、各種コンピュータ画面を表示させることもできるビューとしても使用できた。(スター・トレック:BEYOND)
NX級[]
地球連合宇宙艦隊のビュースクリーンは遅くとも2151年[1]にNX級などの宇宙船に導入されていた。形は長方形で、ブリッジの前方の隔壁に位置していた。この頃のビュースクリーンは宇宙船の周りの宇宙空間を映すことが出来、通信にも使われた。二つ以上の場所からの通信を同時に行う場合には画面が2分割された。
2152年、エンタープライズ(NX-01)のクルーは精巧なセンサーをグラップラーの腕に搭載しスリバンやロミュランの遮蔽した宇宙艦をビュースクリーンに映し出すことを可能にした。(ENT: 暗黒からの衝撃波・前編、許されざる越境)
ケルヴィン型[]
2230年代に運用されていたケルヴィン型には、以前のフリーダム級と同様の実窓とビュースクリーンのハイブリッド構造が採用されていた。ケルヴィン型の特徴として正面のメイン・ビュースクリーンの他に左右にコンピュータのデータを投影するためのスクリーンが備えられていた。また、分極化することでデジタルブラインドとしても機能させることができ、艦外の眩しい光を軽減することができた。(スター・トレック)
ウォーカー級[]
2249年時点でも、フリーダム級と同じ実窓スタイルのビュースクリーンは採用され続けていた。ウォーカー級のそれは、ケルヴィン型と同様に三つのセクションに分割されたビュースクリーンであり、被害報告や敵の往来などの情報表示の他に、通信やスキャン結果の画像を強調する機能も有していた。ウォーカー級の特徴としては窓枠側は青系の色をしていたことで知られる。(DIS: バルカンの挨拶、連星系の戦い)
クロスフィールド級[]
クロスフィールド級もウォーカー級と同様に、実窓方式のビュースクリーンが採用されており、窓の淵は青系の色であったが、それまでの三枚窓ではなく一枚窓に改められていた。(DIS: 支配する者、殺戮者のナイフは子羊の悲鳴など気にかけない、正気を狂気に変えるマジック)
コンスティチューション級[]
22世紀のビュースクリーンと同じ基本形に戻り、23世紀宇宙艦隊のコンスティチューション級宇宙艦(例:USSエンタープライズ)で使用されていたビュースクリーンはブリッジの前方に設けられており一般的に長方形の形をしていた。
遅くとも2254年使用されていたビュースクリーンは2266年により大きいものに取り替えられることになるが、コンスティチューション級宇宙艦のビュースクリーンでは一般的に映像と共に青い枠線が表示され、またスクリーンの左右に設けられたたくさんの制御装置が特徴だった。22世紀のものと同じ機能を備えたこのビュースクリーンは、宇宙艦内からのセンサーの情報を表示したり, 宇宙艦自身の断面図を呼び出したり、他のステーションからの情報を表示したりするのに使用することも出来た。(TOS: 歪んだ楽園、タロス星の幻怪人・後編、光るめだま、盗まれたスポックの頭脳、ENT: 暗黒の地球帝国・後編、)[2][3]
新時間軸[]
新時間軸のUSSエンタープライズのブリッジにはケルヴィン型と同じように、窓と一体化したビュースクリーンがあった。ほぼ床の高さからクルーの身長ほどの高さまであり、そして横に広い形だった。(スター・トレック)[4]
コンスティチューション級改[]
2270年頃の改装の間に、新しいビュースクリーンがエンタープライズのブリッジに置かれたが、このスクリーンは以前のものよりずっと大きく、しばしば警戒状態を表示するのに使われた。2293年までに、コンスティチューション級改の宇宙艦ではスクリーンの一番上にデジタル時計が備え付けられた。宇宙艦がスペースドックに係留されている時は、停止したビュースクリーンはジェネリック・グラフィックを表示した。(劇場版スタートレック、スタートレック6:未知の世界)[5]
ギャラクシー級[]
遅くとも2364年、ギャラクシー級を含む連邦宇宙艦はホログラフィック・ビュースクリーンを利用していた。
立体のホログラム映像を投影するわけではないが、USSエンタープライズDのような宇宙艦のメイン・ブリッジに導入されたビュースクリーンは裸眼で観察しているかのような三次元映像[6]を表示した。
ギャラクシー級宇宙艦のビュースクリーンはコンスティチューション級やエクセルシオ級宇宙艦のそれより大きく、スクリーンの下部のタッチセンサー式の制御装置が特徴だった。 高解像度の、マルチ・スペクトル映像センサー・システムが用いられ、コントロールは艦長席の右腕や、オプスや戦術ステーションにあるパネルから可能だった。(TNG: 未知への飛翔)
ギャラクシー級宇宙艦の戦闘ブリッジにはより小さいビュースクリーンがあった。(TNG: 生き返った死の宇宙商人、浮遊機械都市ボーグ・後編)
ディファイアント級[]
ディファイアント級のビュースクリーンは同時代の宇宙艦と比較して狭いブリッジのサイズにあわせるように、小型で台形のものが設置されていた。
イントレピッド級[]
2371年までに、USSヴォイジャーなどのイントレピッド級宇宙艦はホログラム技術を用いたビュースクリーンを備えていた。
イントレピッド級のビュースクリーンはギャラクシー級のものより小さく、また映像の背後にホログリッドがあった。ビュースクリーンが損害を受けたり停止した時は、ホログリッドはホロデッキのそれと同様に、隔壁の上に姿を現した。(VOY: 時空侵略戦争・後編)[7]
ソヴェリン級[]
24世紀のもっと変わったビュースクリーンのデザインのひとつ、ソヴェリン級USSエンタープライズEのビュースクリーンはブリッジ前方の隔壁に投影されたホログラム映像を利用していた。
この時期の連邦艦のほとんどのビュースクリーンもホログラム技術を使ってはいるものの、それらが表示した映像は一般的に、明確に定義されたスクリーン範囲の中に投影された。エンタープライズEではそうではなく、前方の隔壁の前に映像が現れた。停止されると投影された映像は消え、その場所には何もない壁だけが残る。(スタートレック:ファーストコンタクト)
2375年までに、しかしながらそのような技術は標準形式のビュースクリーンに取って代わられた。エンタープライズEにもそのビュースクリーンは備えられたが、2379年のバッセン断層の戦いの間にブリッジの前方部分が破壊されて宇宙空間への窓になってしまった。(スタートレック:叛乱、スタートレック:ネメシス)[8]
カリフォルニア級[]
カリフォルニア級のビュースクリーンは大型の窓とコンピューター・オーバーレイで構成されていた。オーバーレイ表示がスクリーン上で埋まった場合は外への視界は遮られた。(LD: 第二種接近遭遇) USSセリトスの小規模改修後、オーバーレイ表示はビュースクリーンの一部でなされるようになった。(LD: 奇妙なエネルギー)
ビュースクリーンの不使用時、USSセリトスでは不透明となっていたが、USSルビドゥでは透明のままであった。(LD: 初めてのファースト・コンタクト、ボイムラーのから騒ぎ)
インクワイアリー級[]
2399年、インクワイアリー級宇宙艦のビュースクリーンはウォーカー級やクロスフィールド級のそれと似た大型でコンピューター・オーバーレイ表示タイプのものが設置されていた。(PIC: 理想郷・後編)
ボーグ[]
ボーグ・キューブには特別なビュースクリーン技術が備わっており、空中に浮いた立方体のビューワに映像を投影できた。
このようなビューワは2367年の第一次太陽系侵攻の際にボーグのロキュータスが使用した。(TNG: 浮遊機械都市ボーグ・後編、DS9: 聖なる神殿の謎)[9]
カーデシア[]
24世紀において、カーデシア連合が建造した宇宙艦や宇宙ステーションでは特有のホログラフィックなビュースクリーンが使用されていた。
ガロア級宇宙艦やテロック・ノール型ステーションで使用されていたこれらのビュースクリーンは穴のあいた楕円型の枠である。映像はその枠の中に投影される。
同じ技術がカーデシア式のデスクトップ・モニターにも使われていた。(DS9: 聖なる神殿の謎)
ディープ・スペース・9のオペレーション・センターには大きなビュースクリーンが壁に設けられておりセンターのどこからでも見ることが出来た。(スタートレック:ディープ・スペース・ナイン)
クワークのバーにはガラス壁画のすぐ前に大きなカーデシア式ビュースクリーンがあった。(DS9: 詐欺師エル・オーリアン星人)
ドミニオン[]
ジェムハダーの宇宙艦ではバーチャル・ディスプレイ装置が使われ、ビュースクリーンはなかった。(DS9: 神の船、DS9撤退の日等)
クリンゴン[]
クリンゴンのものは大体そうだが、バード・オブ・プレイ、クティンガ級、ラプター級などの宇宙艦のビュースクリーンも角張った形状が目立っていた。
連邦のものと基本的な機能は同じであった23世紀のビュースクリーン(例:IKSアマー)は、戦術情報をグラフィックおよび写真の形態で表示することが出来た。(劇場版スタートレック、スタートレック4:故郷への長い道、ENT: 名誉に生きる者)
ロミュラン[]
24世紀、ロミュランのディデリデクス級ウォーバードなどの宇宙艦のビュースクリーンは他の勢力のものと非常によく似ていた。
ロミュランのビュースクリーン(例:IRWカザラ)は連邦やクリンゴン帝国が使用していたものよりも小さく、角の円い四角のような形をしており、一番上の緑の長方形が特徴的だった。
ほとんどの宇宙艦と同様、ビュースクリーンはブリッジの前方の隔壁に設けられていた。(TNG: ロミュラン帝国亡命作戦)
24世紀後期の採掘船ナラーダには、特に中心的なビュースクリーンは使われていなかった。(スター・トレック)
付録[]
関連項目[]
- ホロ・コミュニケーター
- ビューワ
- デスクトップ・モニター
背景[]
初期のデザインの草案では、USSヴォイジャーとUSSディファイアントのどちらもビュースクリーンを完全になくすことが意図されていた。DS9のホロ・コミュニケーターのようなものや『スタートレック:ファーストコンタクト』の宙に浮くビューワのような試みがなされたが、結局は伝統的なものが採用された。ビュースクリーンはスタートレック世界を定義する不可欠な要素と考えられたのである。
注釈[]
- ↑ 『TOS: 宇宙基地SOS』の台詞によると地球・ロミュラン戦争で戦った22世紀の宇宙艦にはビュースクリーンがなかったか、音声による通信だけが可能だったと考えられる。この推測は自然ではあるが、戦争以前の『スタートレック:エンタープライズ』では明らかに地球連合の宇宙船にビュースクリーンの技術が備わっている。アンドリアンやクリンゴンなど他の多くの種族も然りであるがロミュランにはその技術がなかったか、単に音声のみの通信をする理由があったのだろう。
- ↑ 『宇宙大作戦』を象徴するビュースクリーンは後の劇場版やTVシリーズの基礎になった。スクリーンの下で行ったり来たりするライトは二つのパイロット版の時にはなかったが『TOS: 謎の球体』以降標準になった。
- ↑ TOSリマスター版制作で主に力を注がれたのがビュースクリーンの表示を差し替えることだった。
- ↑ 脚本家のロベルト・オーチーとアレックス・カーツマンは宇宙艦の最上階にブリッジが配置されていることを正当化するために、窓とビュースクリーンを一体化させた。「……海軍の艦船と同じように見晴らしの良い高い位置に位置している(それにしても攻撃に対しては無駄な弱点となっている)のに、たいていブリッジには窓がないという、妙な事実に基づいている。ブリッジの場所を移動させるよりは、我々はその場所を正当化すべく窓をつけた。」[1]
- ↑ 劇場版エンタープライズのビュースクリーンは、無印のエンタープライズが破壊されてUSSエンタープライズAに変わるまではほぼ同じままだった。エンタープライズAはスクリーン下にお馴染みの行ったり来たりするライトを再び採用し、またどこか時代遅れな時計もつけられた。『スタートレック5』の撮影では、スクリーンの映像は撮影後のフィルムへの焼き込みではない、背面投影した映像が(たまに)使われた。スクリーンは『スタートレック6』と『スタートレック:ジェネレーションズ』では装飾を変えてUSSエクセルシオとUSSエンタープライズBのビュースクリーンとして再利用された。
- ↑ 微妙な効果であるが、『スタートレック:ジェネレーションズ』の間中に見られたビュースクリーンは明らかに3D映像を表示した。この効果はいくつかの場面でスクリーンの複数の角度からのの映像を用意することによってつくりだされた。つまりスクリーン上の映像は、平らな、一つの角度の映像ではなく、対応する角度で表示された。
- ↑ ギャラクシー級のビュースクリーンにもイントレピッド級のものと同じ技術が使われているかもしれないが、ホログリッドの使われていることが明らかになったのはVOYの劇中だけである。
- ↑ 最初にTOSに登場した普通のスクリーンから進化した、最初で最後のビュースクリーンのひとつが『スタートレック:ファーストコンタクト』に見られた空中に現れるビュースクリーンである。『Star Trek: The Next Generation Companion』によると、しかしながら、プロデューサーたちは何もない壁を嫌い『スタートレック:叛乱』と『スタートレック:ネメシス』では伝統的なビュースクリーンに戻すことを選んだ。
- ↑ ボーグの大きなビュースクリーンが登場したのはロキュータスが使用した時だけであった。例えば『VOY: 生命体8472・後編』では小さいモニターが使われていた。
外部リンク[]
- ビュースクリーン:非正史スタートレックWiki Memory Beta英語版