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NX impulse engines

NX級インパルス・ドライブのクローズアップ

USS Enterprise maintaining impulse thrust

宇宙アメーバから逃れるためにインパルス・ドライブに点火するUSSエンタープライズ

ファイル:Constitution class refit impulsedrive.jpg

コンスティチューション級改のインパルス・エンジンのクローズアップ

「推力四分の一!」
ジェイムズ・T・カーク

 インパルス・ドライブ(Impulse drive)は、光速以下の速度域において使用される推進システムである。「反動推進エンジン」や「通常エンジン」と呼称される。[1]
 インパルス・ドライブの基本理論は、重水素(デューテリウム)をプラズマ変換して後方に噴出することで推進力を得るものであり、20世紀の地球のロケットと基礎的な理論は同じものである。インパルス・ドライブの基本的構造は宇宙艦隊の200年の歴史の中でほとんど変化していない。  

構造と基礎理論[]

 宇宙艦隊宇宙艦におけるインパルス・エンジンの基本的な理論は重水素核融合炉から高エネルギープラズマを方位制御可能なノズルを通して後方に噴出し、その爆発力による作用反作用エネルギーを元に艦を推進させるという理論であり、エネルギー源が違うだけで20世紀に開発された地球ミサイルロケットと同じ推進方式である。
 20世紀の技術との大きな違いは、出力源を核融合炉としたことであり、これにより20世紀のロケットのような燃料効率が悪くしばしば片道切符仕様となってしまうロケットエンジンと違い、汎用性の高い推進技術へと転化することができた点である。
 宇宙艦隊において22世紀から23世紀にかけて標準的に搭載されていたインパルス・ドライブの基本的な作用は、重水素核融合反応炉で生成された非常に高いエネルギーのプラズマ(電気プラズマ)がアクセラレーター(加速器)/ジェネレーターを通してプラズマ噴射の方向を制御するベクタード・スラスト・ノズルより噴出され推進力を得るというものである。
 インパルス・エンジンの推進力となる電磁プラズマはその他にもプラズマ・コンジットを通じてパワー・トランスファー・グリッドへと回され、艦の他のシステムへと供給される電力源ともなる。
 しかし、24世紀においてはインパルス・ドライブは更に進化を遂げた。アクセレーターを通った電磁プラズマは、ドライバー・コイル・アセンブリと呼ばれる小型のワープ・フィールド生成装置へと流れた後、ベクタード・スラスト・ノズルから噴射される。
 インパルス推進の際には艦の質量に比例して膨大な爆発力が必要となってしまうため、大型艦になればなるほどインパルス推進時の消費エネルギーが増加してしまう。そのため、ワープ・ドライブの基礎理論を使用し、ワープ・フィールドで船体を包むことにより宇宙空間における船体の相対的な質量を減らすことにより、インパルス推進時のエネルギー消費を抑えることに成功したのである。
 当初のインパルス・ドライブはワープ・コアからエネルギーを流用しないと最大速度を出すことはできなかったが、2270年代には、インパルス・ドライブはワープ・ドライブがオフラインの状態でもワープ0.8を維持することが可能になったため、それぞれの推進装置の動力源は独立したものとなった。[2]劇場版スタートレック
 インパルス・ドライブで消費するエネルギーは、ワープ・ドライブのそれの100万分の1程度である。[3]

インパルス速度[]

 インパルス・ドライブの欠点は、ワープ・ドライブと異なり加速しすぎると時間の遅れ「ウラシマ効果」が発生してしまうことである。そのため宇宙艦はウラシマ効果の影響を極力受けない「光速の25%」の速度を、インパルス・ドライブの最大速度(推力全開/フルインパルス)として設定している。ただし、構造上では光速の80%程度まで加速することは可能である。

  • 推力全開 - 光速の25%
  • 推力2分の1 - 光速の12.5%
  • 推力4分の1 - 光速の6.25%

構成部分[]

  • インパルス・パック
  • 放射性物質排出ヴェント

参考[]

  • ハイパー・インパルス・ドライブ
  • インパルス反応炉

付録[]

注釈[]

  1. 厳密にいえば、インパルス・ドライブとは推進方式を示す用語であり、エンジン構造に特化して指すならばインパルス・エンジンと呼称しても間違いではない。
  2. 24世紀において、インパルス・ドライブへワープ・ドライブのエネルギーを流用し強力な爆発力を得ることは可能である。(TNG:メンサー星人の罠
  3. 2267年、科学士官スポックは、過負荷状態におけるコンスティチューション級のインパルス・エンジンの爆発力を97.835メガトンと算出した。(TOS:宇宙の巨大怪獣
  • ベイジョーの迎撃機は、大気圏内でインパルス・ドライブを使うことができなかった。(DS9:帰って来た英雄パート3

背景[]

  • TOS: 光るめだま』や『TOS: 宇宙の巨大怪獣』などのいくつかのエピソードにおける会話の中では、方法によっては、最大速度や燃費の点でワープ・ドライブに劣るとしながらも、光速を超えて艦を推進することが可能だということを示唆している。
  • 劇場版スタートレック』で、エンタープライズは地球と木星の間の628,730,306km の距離(最小)をワープ0.5の速度で1.8時間かけて航行しており、これは時速にして約349,294,614km 、つまり光速の3分の1ということになる。この違いは、その時代の2つの惑星の歳差運動か、もしくはワープ・ドライブに関する何か別の要素の値が関連しているのかもしれない。
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